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迷い子(まよいご)
僕は迷子になることが多い。残念ながらそれは今でも治っていない orz
さてそんな僕の迷子の理由について、親に聞いた話。
当時、住んでたアパートに続く砂利道を僕と歩いていた、自分の後ろをついて歩いていた息子(僕)の足音が急にとまった。
「どうしたの?」と振り向くとだれもいない。
「…え?あれ?」
辺りを見渡すがそこは見通しの良い原っぱで隠れる場所などない。
「うそ…。ゆいー?どこー」ととりあえず呼んでみると原っぱと反対側。1.5m程ある塀から
「おがあざーん?」
と、泣き叫ぶ声がする。
びっくりして反対がわを覗くと、自分を見上げる息子の姿。辺りを見回すが入れそうな場所もなくそのまま塀を乗り越えて、息子を救出した。この塀は300mくらい続くコンクリート製で切れ目はなく、穴が開いてるわけでもない。
「どうやって入ったの?」
と聞いても、僕は泣きながら首を振るだけだったらしい。
何が起きたかはわからなかったが、その日からその道を通るときは自分の前を歩かせるようにした。
ちなみに僕はまったく覚えていない。
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