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ろじ
小学校にあがったばかりの頃。母親と買い物に行くときいつも通る狭い路地があった。ビルとビルに挟まれた幅1mちょっとの道で、夏でもヒンヤリしていて不思議な雰囲気で僕のお気に入りだった。
その日も買い物に出掛けると僕は路地まで真っすぐ走っていき、薄暗い路地を一気に駆け抜けた。
「あれ?」
目の前にいつもの店が見えた。おかしい路地の出口と店は100m以上離れているはずだ。店の前でキョトンとしてると、路地から母親がでてきて俺を見つけ走ってきた。
「あんまり先に行っちゃダメでしょ!」
と叱られた、母に手を引かれて店に入っていくときに振り向いたが、そこは壁だった。
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