ろじ2

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ろじ2

同じ路地での話。 いつものように買い物に行く途中、僕は母と並んで歩いていたが、道端に猫を見つけて立ち止まった。 猫をみていると 「置いてくよー。」 母の声に目を向けると路地に入っていくところだった。すぐに追い掛けて路地に入ると前に母の姿がない。置いてかれたと思って路地を抜けて辺りを見るが母親は見えない。そのまま店まで行こうとすると、 「あれ?」後ろから声がした。母親が不思議そうに立っている。 「お母さんどこ行ってたの」「どこって、路地に立ってたけど。あんたこそどこからきたの?」 「僕もそこからきたんだけど。」 しばらく二人で首を傾げていたが。まあ、いいやとそのまま買い物に行った。 この路地は一本道で横に抜ける道は無いし、隠れられるような物も何もない。 だけど二人はお互い気付かずにすれ違った。
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