卒業と春

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「これで心おきなく神戸にいけるゾ」 「神戸? 兵庫じゃないの?」 「タクってバカだね」 「あぁ!わかった 兵庫県神戸市なんだ!(笑)」 「ちぇっ、わかっちゃったか」 「一応クラス1位なんで… ってお前なんで神戸に行くんだよ?」 サユが校庭を見下ろしながら言った 「転勤だよ…タクのとことは違うね…一人暮らしするからこっち残るって言ったけど 私立だったら一人暮らしはお金かかるからダメって言われて 結局公立ダメだったから神戸に行くんだ…最近ちょっと休んでたでしょ?その時にね…」 その話を聞いて 会うことは二度とない気がした スゴく辛かった 二人とも会話がなかった 俺は アルバムのハートのスペースに文字を埋めた 「サユ!いつまで泣いてんだよ?」 「神奈川県と兵庫県って遠いよね」 サユは目が赤かった 「そうだな…ほらタオルしかないけど涙拭けよ」 「もっと早く渡せ~(笑) …あれ?タクこんなタオル持ってたっけ?」 「あぁ、トイレのタオルだ!(笑)」 あの子から借りてたタオルだった 「タク…付き合ってる人いるの?」 「いないよ…?今、一番大切な人はサユだ」 「そうか、そうか~(笑)じゃあサユのお願い聞いてくれる?」
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