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「言ってみ!」
「えっとね~」
サユがニコニコしてる
「キスしたい」
「えっえ?」
正直驚いた
そりゃ受け入れたい
好きだもん
でも
俺らは
あと少しでお別れなんだ
でも
でも
今、サユを突き放したらヒドい男だし
俺が後悔する
「サユ…」
「高橋ユリ!?」
サユが怒鳴った
悲しい顔に一気になった
「タクの家のトイレには名前がついてるのかな…?」
タオルに名前が書いてあった
意外な形であの子の名前がわかった
でも今は
そんなことどうでも良かった
違う
違う
でもなんて言ったら良いかわからない
「なんか言ってよ…」
「ゴメン…言葉がうまく見つからない…」
この表現は最悪だった
「ほんとにタラしなんだね」
サユの目が笑ってなかった
「えっ…」
一言だけ
それしか言えなかった
何を間違えたんだろう
なんで崩れてしまったんだろう
しばらく放心状態だった
手にはサユのアルバムを握っていた
サユは
もう帰ってしまった
自分のアルバムは入り口の近くに置いてあった
その上には
あのタオルがキレイにたたんで置いてあった
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