卒業と春

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はじめに この小説は 実話を少し交えたフィクションです… 俺は今、18歳 春 1つの生活が終わって これから新しい生活が始まる 私立横須賀学園高等学校 この学校が 俺の高校生活を嬉しくも悲しくもしてくれた 卒業式の後 教室で振り返ってみた 3年前の春 俺はこの高校に入学したんだ あの頃も桜が咲いてたな 俺の一家が茨城から神奈川に引っ越してきたのは3月のはじめだった 俺にとってはとてもやっかいだった 茨城いたころは トップ校を目指して過去問を問いたりして、茨城の高校に行くつもりだった けれど突然、父がリストラ そんで横須賀のおじいちゃんの家に行くことになった こっちの生活は苦しくなるとわかっていた 受験勉強は手につかないし 神奈川の公立試験の過去問なんてやってないし いっそ受験をやめようかとも考えた 悪いことが続くと受験にも影響がでる まず片道3時間 しかも始発電車 勉強もあまり 完全にダメだった 私立高校は特例で同じ日に一人で受けさせてもらった そこが 横須賀学園だ そして茨城に帰った すると 駅で待ってる人がいた もう終電だというのに サユだ サユは仲のイイ友達 『お前、何してんの…?』 『えっ、タクを待ってた…』 後で気づいたけどスゴくオシャレをしていた 『アホだろぉ』 『だって、タク…もう行っちゃうんでしょ…話し足りないよ…まだ足りないよ』 涙目なのにビックリした 『俺ら、結構話しただろ?セミの話とかノートの話とか』 なんとなく展開が予想できた だから少し気をそらしてみた けれど サユに抱かれた 『好きなの…好き…タク…』 その気持ちは本当に嬉しいし、今、一番大事な人はサユだ サユの体は 寒さのせいか震えていた でもそれだけじゃない 『今、俺がサユの気持ちに答えてしまったら、辛いだけだよ』 俺の体が震えていた 寒さのせいじゃなくて自然と震えてしまうんだ その時に 自分もサユのことを好きだと実感した
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