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今さら
気づいたって
どうせ別れるだけ
未来のない二人なら
始まらないほうが良いんだ
ありがとう
と言って頭をポンと叩いた
『ほら、帰るぞ』
『イイ、一人で帰る』
サユはまだ涙が止まらない
『こんな時間にか…?それにこうやって帰れるのも最後かもしんねーし』
『うん』
二人で帰ることになった
『ねぇ?タクさっき泣きそうになったでしょ?』
『いえ』
『うそだぁ!タク震えてたもん!』
『ほらっ寒かったからだよ』
『ふーん』
サユは急に俺の手を握ってきた
『全然冷たくないし…やっぱり泣いてたんだな』
その手はとても冷たくて震えてた
視界からサユが消えた
『あっ先歩いてて!靴ひも直すから』
ハイヒールに靴ひも…?
『こっち向いちゃダメだよ!この体勢だとスカートからパンツ見えちゃうから』
『はいはい』
すすり泣く声が聞こえてきた
『置いてくぞナムパラ女~』
『ナムパラってなに~?』
『泣き虫パンチラ女の略』
『何でもかんでも略すな~しかもかなりヒドいあだ名~』
無事、帰った
もう話すことないのかな…?
家に帰ったらまた引っ越しの準備だ
明日は
茨城県の公立試験
それに気づかなかった
つづく
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