卒業と春

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「あの茨城の中学なんです」 「あぁ、そうなんだ!」 それから会話はなかった ビシャビシャ水の音がなってる なかなか落ちないみたいだ ふと カバンの中に歯ブラシが入ってるのを思い出した 「貸して」 少し無理やりとって 歯ブラシで洗った 「えっ歯ブラシが…」 女の子はビックリしてた これで臭い以外は落ちたよ そう言って渡した なぜ歯ブラシを持ってたかというと今日は、じいちゃんの家に泊まることになってた 金曜日だし それで歯ブラシは持ってた タオルは持ってなかったけど 受験の時も泊まれば良かったのにって思ったけど 今はそんなことはどうでも良かった 「あの…」 女の子が何か言いかけた 「タオル今は返さなくてイイから…また会った時に返してください」 女の子が微笑みかけてくれた 「ありがとう」 「こっちこそありがとうね」 なんだか 不思議な出会いだったな そう思いながら じいちゃんの家に帰った そして じいちゃんの家には歯ブラシがなかった
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