出会い

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『行ってきまーす!』 亮(7)は元気に母、百合(36)に告げる。 『今日は午後から雨だから、傘持って行きなさいよ。』 コーヒーの香りのするリビングから声をかける。 『わかってるよぉ』 亮は日曜日に買ってもらった新しい傘を振り回す。 『亮、おはよ!』 後ろから亮を呼ぶ声… 明だ!亮とは同い年で、家が近いこともあってどっちからともなく仲良くなった。 『おはよ!明くん。』 亮は明にくんをつけて呼ぶ。明のほうが5cm背が高いのだ! 小学生というのは… 背が高いから偉い! 走るのが速いから偉い! そんなもんだ。 『今日、お昼休みドッチボールな!』 明が言う… 『今日、雨だってお母さん言ってたよ。』 『大丈夫、俺のパワーで雨降らせないから。』 それがホントなら明にはすごい力がある事になる… 亮は答えようがなかった… 『約束だからな!』 明は煮え切らない亮に言う…『うん…』 しかたなく亮もうなずく 『おはよう』 浜田先生が校門の所に立っている… 『おはようございまーす。』亮と明が声を揃えて言う。 『はい、おはよう』 亮と明は校門を抜けて教室を目指す
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