桜落雨 雨と涙の対談

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桜落雨 雨と涙の対談

路面に濡れ落ちた桜の花びらの白さにぼんやり目をとられながら歩いた。 ときどき、ビニール傘を持つ手もだるくなり、あたまでビニールをつくようにしてふざける。歩きつかれた小学生のふり。雨がかかる。 春のコートも湿る。 判別不能な力のない声を発し、おどける。 顔にかかる雨 涙を知ってるか? このからだから湧き上がるなみだは、熱いのよ。雨にはわかんないよ。 雨にはわかんないよ。
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