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私は、知らない人達に4階の女子トイレに連れてこられた。
(これが俗に言う"呼び出し"ってやつか。)
私がそんな事を考えて居ると、一人の女が口を開いた。
『あんた、悠稀の何なの??』
「(は?こいつ等、頭暇だなぁ。)友達ですが、何か問題でも??」
私は、こんな状態には慣れているから、怖いなんか思わない。
『友達??
だったら、悠稀に色目使ってんじゃねぇよ。』
(色目??
いつ誰が誰に使ったよ。
ただの嫉妬じゃん。)
私が黙って、そんな事を考えて居ると、怖がってると思ったのか女達は更に攻めて来た。
『あんた、マジ目障りなんだよねぇ。
悠稀に近付くの止めてくれたら、これ以上何もしないでやるよ(笑)』
そう言うと、両側に居た女達がクスクスと笑った。
「何で、貴女方のために悠稀と友達を辞めなければならないんですか??
貴女方の、嫉妬に付き合う程、私は暇じゃないんです。」
私がそう言うと、真ん中の女がビンタしてきた。
『お前調子乗んのもいい加減にしろ!!
痛い目にあいたくなきゃ、言う事聞け!!』
ずっと我慢していたけど、短気な私はブチ切れてしまった。
「いってぇなぁ...
人がせっかく我慢してやってたのに。(笑)」
『何だと!!
もういっ...か..い...』
ビンタされた反動で、下を向く形になっていた顔をゆっくりと、女達の方へ向けた瞬間、彼女達は固まって動けなくなっていた。
「私の目、怖い??
凍らせてあげるよ、魂まで....(笑)」
『あ...嫌...こ、来ないで...』
私は、女達の目の前に手の平を上に向けて突き出した。
そして、空気中の水が手の平に集まり出来た、握りこぶしくらいの、氷の塊を握り潰した。
氷は、粉々になり、キラキラと床に落ちると共に、女達も気を失ってその場に倒れた。
カタッ...
「誰?!!」
私は音のした方を見た。
そこには、驚いた表情をしている悠稀が立っていた。
(...チッ、見られたか。)
『今の...何...??』
彼は、目の前で起きた事が理解出来ずに混乱している様子だった。
無理もない、普通の人間には有り得ない事が目の前で起こったのだから...そう、"普通の人間"には...
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