2/5
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
  私は、知らない人達に4階の女子トイレに連れてこられた。   (これが俗に言う"呼び出し"ってやつか。)   私がそんな事を考えて居ると、一人の女が口を開いた。     『あんた、悠稀の何なの??』   「(は?こいつ等、頭暇だなぁ。)友達ですが、何か問題でも??」     私は、こんな状態には慣れているから、怖いなんか思わない。     『友達?? だったら、悠稀に色目使ってんじゃねぇよ。』   (色目?? いつ誰が誰に使ったよ。 ただの嫉妬じゃん。)     私が黙って、そんな事を考えて居ると、怖がってると思ったのか女達は更に攻めて来た。     『あんた、マジ目障りなんだよねぇ。 悠稀に近付くの止めてくれたら、これ以上何もしないでやるよ(笑)』     そう言うと、両側に居た女達がクスクスと笑った。     「何で、貴女方のために悠稀と友達を辞めなければならないんですか?? 貴女方の、嫉妬に付き合う程、私は暇じゃないんです。」     私がそう言うと、真ん中の女がビンタしてきた。     『お前調子乗んのもいい加減にしろ!! 痛い目にあいたくなきゃ、言う事聞け!!』     ずっと我慢していたけど、短気な私はブチ切れてしまった。     「いってぇなぁ... 人がせっかく我慢してやってたのに。(笑)」   『何だと!! もういっ...か..い...』     ビンタされた反動で、下を向く形になっていた顔をゆっくりと、女達の方へ向けた瞬間、彼女達は固まって動けなくなっていた。     「私の目、怖い?? 凍らせてあげるよ、魂まで....(笑)」   『あ...嫌...こ、来ないで...』     私は、女達の目の前に手の平を上に向けて突き出した。 そして、空気中の水が手の平に集まり出来た、握りこぶしくらいの、氷の塊を握り潰した。   氷は、粉々になり、キラキラと床に落ちると共に、女達も気を失ってその場に倒れた。     カタッ...   「誰?!!」     私は音のした方を見た。 そこには、驚いた表情をしている悠稀が立っていた。     (...チッ、見られたか。)     『今の...何...??』     彼は、目の前で起きた事が理解出来ずに混乱している様子だった。   無理もない、普通の人間には有り得ない事が目の前で起こったのだから...そう、"普通の人間"には...
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!