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  キーンコーンカーンコーン...   朝のST(ショートタイムの略:朝の会の意)の始まりを知らせるチャイムが、学校に鳴り響いた。     「ふぁ~、眠い」   俺は、佐田 悠稀(さだ ゆうき)高校2年生。     『あくびすんなよ(笑)』     こいつは、矢田 仁(やた じん)。 俺の幼なじみ。     「だって、STとか...マジダルイし...」     仁が、俺の言葉を聞いて「まぁ、そうだけど」と言って、頭をかいた。     「てか、担任遅くね??」   『確かに、いつもはとっくに来てるのにな』     二人で話していると、教室のドアが開いた。   ドアの方を見ると、担任の斎藤(さいとう)と、もう一人、見知らぬ女の子が入って来た。     『えー、彼女は、神崎 夜姫(かんざき よき)さん。 今日から、このクラスに入る子だ。 仲良くするように。』     先生がそう言うと、夜姫がぺこりとお辞儀をした。     『やっべ、メッチャ美人じゃん』     仁が夜姫を見ながら言った。   夜姫は、肌が白く、スタイルも抜群だった。 髪は、ストレートで背中くらいまであった。     『席は...悠稀の隣が空いてるな』     先生がそう言って、俺の左隣の席を指した。
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