占い日和

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「アイツがオレ様を心配なんかするわきゃねーだろ!!バッカじゃねーの!?むしろ消えてせいせいすんだろが!」 「しかし今一度考え直された方が…」 「はっ!んなことするか!オレ様は四月から赤の他人として暮らすぜ!クリス、家帰ったらソッコーで荷物まとめんからな!!」 遠巻きからしか見えないが… おそらく赤い髪の少年が着ているのは、リディアという街にある有名な中学校の制服。 頭はいいのだろうが… 「すっげーなあのおチビ。もう合格する気満々じゃん!どんだけ自信あんだよ…」 隣で頭を下げる若い黒スーツの男と少年を交互に見ながら、フェイトはその通りを横切っていった。 桜高の入試は独自の入試問題を取り入れていて、かなりの難関と言われている。 桜高にどうしても入学したかったフェイトは、受験シーズンは死ぬ気で勉強したものだった。 …もっとも、フェイトは桜高というより…この〈なんでも屋〉に入りたくて受験したのだが。 「…運命の出会い…か~」 先程のことを思い出し、フェイトは淋しい桜の並木道を歩く。 まだ固い蕾だけど…いつの日か、たくさんの花を咲かせてくれるだろう。 「あ、こっち!こっちです!猫さんがたくさんいるんですよ♪」 自分の少し前を歩いていたピンクの髪の女の子が、突然後ろを振り返って手招きする。 そして女の子が遥か前方に見える猫の集団に向かって歩いて行くと… もう一人、 「ルルカ、おまえ方向オンチなんだから…あんまり寄り道するなよ」 後ろから声がしたかと思うと、その声の主は自分を追い抜いて女の子の方へと走って行った。 その揺れる金髪を… フェイトは何故か無意識に目で追いかける。 …そう、いつかきっと。 出会う日は来る。 もしそれが運命だとしたら… 出会った瞬間、なにかを感じるはず。 期待できる人材とか、友達止まりとか、二つの選択とか… そんなことはどうでもいい。 だってもうすぐで、僕達は出会えるんだから…。 ……END
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