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するとそこに立っていたのは……
パンク柄のバンダナに黒のネクタイ。
整った顔立ちではあるが、どこか怖そうな吊り上がった目。
この人はまさしく……教室で暴言を吐いていたオチビ君、その人であった。
「……(う、うわぁ……どうしよう……)」
できれば関わりたくなかった、というのがライの本音。
自分の向かいの席に腰掛けたバンダナ少年をチラリと見れば、お返しとばかりにギロリと睨まれる。
「あ゛?チラチラ見てんじゃねーよ金髪!」
「ご……ごめん……」
「ちっ!マジでウゼぇ」
「…………。」
どうやらライの反応が気に入らなかったらしい。
勢いよく舌打ちされ、ライは慌てて視線をラーメンへと移す。
ホカホカと湯気をたてるラーメンは、猫舌のライにはきつく、ひたすら冷めるのを待っているしかない。
「おいジェイ、てめぇも同じクラスだったのかよ?」
「あのなグレン……今更それか?オレは最初から知ってたぜ?」
「え!?おい!グレンとジェイって知り合いだったのか?」
「中学が同じなんだよな。試験も一緒に受けに来たし」
「えぇ~!?そうだったのかよ!?」
「グレンとシドもなんか仲良さそうだったよな?」
「あぁ、オレはグレンとは入学手続きの時に知り合って―……」
どうやらバンダナ少年はグレンという名前らしい、というのはわかったのだが……
まったく話についていけないライ。
ジェイとグレンは同じ中学出身。
グレンとシドは入学手続きの時に知り合ったという。
そしてシドとジェイは自由時間の時にすでに打ち解けているようである。
3人が楽しく話している中、妙に浮いているライはなかなか参加することが出来ず、静かに沢庵(たくあん)をつまんでいた。
すると悲劇は突然に起きる……。
「おい」
「…………。」
「おい!シカトぶっこいてんじゃねぇよ金髪!!」
「……!あ……ご、ごめん……」
「ちっ!さっきから一言も喋んねーし感じ悪い野郎だな」
「……ごめん……なさい」
「あ゛!?てめぇ……謝りゃ済むって思ってんじゃねーよな?ハッキリ言わせてもらうと……オレ様はてめぇみたいなタイプの男は女より嫌いなんだよ!とっとと失せろ!!」
「ちょっ、おいグレン!いくらなんでもそれは……」
「シド、気に入らねぇ奴を気に入らねぇって言って何が悪いんだ?そんな法律があんのかよ?オレ様が知らねぇだけか?」
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