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「先輩はきっと大丈夫だよ。…修。」
修矢はそのまま立ち尽くすしかなかった。
「濡れたままだと冷えるから着替えろよ。」樋口は修矢に促すが修矢は憔悴しきってしまって下を向いたまま動かない。
他の部員は黙って着替えを始めた。
(白石先輩…どうか無事でいて下さい…)
そう祈るしか修矢にはできなかった。
雨はいよいよ大降りになり練習はそのまま中止になり各々、ダウン(ストレッチや整理体操)して解散になった。
その後、白石は大事にいたらなく検査の結果も異常はなかったが修矢の精神には重傷となってしまった。バッター相手にボールを投げるのが恐怖になってしまったのだった。
これまでが次期エースと期待されていた修矢がイップスに陥ってしまった原因だった。
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