307人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
偶然
「イップスか…なるほどね。」
「はい…」
「だからここに来たってわけだ。大丈夫。これは君次第で治る病気だからね。」
白衣を着用せず、普段着のようなピンクのシャツにネイビーのベストを着た、あまり医者に見えないいでたちの精神科医の山野は笑顔で修矢に説明した。
「そもそも、イップスとは病気とは言えるものじゃないけど一種の恐怖症だからね。修矢くんの場合はバッターがいたら投げられなくなってしまうから君にとっては死活問題だね。」
「はい…どうしてもあの時のことが頭に入ってきて恐くなってしまうんです。」
最初のコメントを投稿しよう!