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「先生、他に言葉は無いんすか?」
血が流れる手を押さえながら泣きそうになっているクレイドがそう言うと、先生はポンッと手を打った。
「おお、そうだな。見事なアフロだぞクレイド」
「そっち!? 血が流れてんのは無視ですか!?」
「お前、スクリと居る時点で怪我するのは覚悟の上だろ?」
「確かに覚悟の上だけど! そういう問題じゃないでしょ!?」
クレイドは必死に言っているが、先生は相手をするつもりが無いらしく、「どうでもいいから席に座れ」と言いながら、うるさい犬を遠ざけるかの様にシッシッと手を動かす。
「理不尽だ……」
「クレイド……」
目に溜った雫が今にも溢れそうなくらい落ち込みながら席に座るクレイドの肩に手を乗せ、スクリは深刻そうな顔を浮かべた。
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