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「鬼……め……」
火柱が消えると同時にクレイドは床に倒れ、口からプカリと煙を吐き出す。
「あら、火加減はしてあげたはずよ?」
「ど……こがだ……」
チリチリと髪が焼ける匂いが部屋に広がり、クレイドの意識は遠くの世界へと行ってしまった。
「ウワ……、そんなにしなくても良かったんじゃない?」
あまりの惨状にスクリが呟くと、アイナがニコッと笑みを送る。
「次はスクリの番よ。覚悟しなさい」
「僕は遠慮するよ。てかホント止めて下さい」
スクリの言葉に耳を傾ける事無く、アイナは手をスクリへと向ける。
慌ててスクリもアイナに手を向ければ、互いの手から炎が現れた。
「あら、私に歯向かおうなんて良い度胸ね?」
「歯向かう気なんて無いよー。僕は逃げたいだけだから」
ペロッと舌を出しながら言うスクリに、アイナはフフッと笑みを溢し。
手の中で燃え盛る炎を放とうと、手に力を込めた。
だが――。
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