一筋の光

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一筋の光

一方、家庭では父と母が別居、母が自己破産をしたことによって家の家計は回らなくなった、父は朝3時から新聞配達、夜は11時まで仕事、支払いに追われ家にはいない状況が続いた。僕は一人で家の中でボーッとしていた、学校に行っても完全孤立、何をするわけでもなく、生も死もどうでもくなり、まさに無気力になった、その時、僕はあるものと出会った、それは今の僕の半分以上をしめている、PunkRockなのだ、姉が「これ聴いてみ」と言って渡されたのがTheBlueHaertsだった、それまで僕は音楽が大嫌いで、愛だの恋だのキレイごとを言うのが音楽と思っていた、しかし、TheBlueHaertsは違った。優しく包みこむように僕を励ましてくれた。「マイクロフォンの中からガンバレって言っている、聞こえて欲しいあなたにも、ガンバレ!!」…誰も言ってくれることのなかった言葉を誰よりも力強く、そして何よりも大きく言ってくれたのだ。それを聴いた瞬間、自分の目から涙がこぼれ落ちた…「役たたずと罵られて、最低と人に言われて、要領よく演技出来ず、愛想笑いも作れない、死んじまえと罵られて、この馬鹿と人に言われて、うまい具合に世の中とやって行くことが出来ない」誰も理解をしようともしなかった、僕の状況とこの感情、それを理解してくれた人に会ったような気がした。
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