アカズキン。

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僕は、居酒屋で友達と別れて、ほろ酔いでとぼとぼ歩いていた。 「ア~飲み過ぎた。漏れそう。」 僕は、ようをたそうと路地裏に入った。 「おー、パンパンに張ってるよ。放水しまぁーす❤」 すっきりして、路地に出ようとしたとき、背中に悪寒が走り、生臭い匂いが鼻をついた。今まで、感じたことのない恐怖で体が動けなく、首と、目だけを動かし振り返る。 漆黒の闇の中、ものの動く音。 僕は、目を細め、様子を伺う。 足を前に踏み出した時何かを踏んだ。 「ビチャ、ウワァ、何だ。」靴の裏を確認すると何かの肉片がコビリついていた。 僕は、びっくりして尻餅をつく。 足元を見ると漆黒の闇のなかに、何かを引きずり込んだ血の跡が伸びている。 僕は、そっと恐怖心を抑え、路地裏の奥に、進んでいた。 そこで、小汚ない男がゴソゴソ動いている。 「なんだ、ホームレスか」 僕は、安心して、力が抜けた。 小汚ない男は、僕にきずいたのか振り返る。男は口のまわりを赤く染め、目を細めニヤリと笑った。 僕は、驚愕した。 まるで、ホラー映画のワンシーンのような現実離れしたこの光景を。 男の足元には、眼球をえぐられ、胸元からお腹をザックリ引き裂かれた、女性の死体が転がっていた。 僕は、声も出せず立ちすくむ。 男は、動けい僕の横を駆け抜けて行った。 僕は、助かったと思ったのか。喉に力をいれ声にならない声で叫んだ。 人が駆けよってきて、警察に通報してもらい。 僕は、事情聴取にも、何を答えたのか覚えておらず、帰宅した。
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