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予想通り、昨日は一睡も出来なかった。
ここ最近ちゃんと眠れてないよな…
「春花!」
校門の前で後ろから声をかけられ、一瞬ビクッと体が震える。
恐る恐る振り返ると、雄馬がこちらに駆け寄ってきていた。
「雄馬…おはよう」
「おはよう。
…昨日は驚いたな」
「えっ?!何で?!」
戸惑う私に雄馬が首を傾げる。
「何でって…
中岡さんだよ。
無理やり連れて行かれたから、残された俺はまじで焦ったんだけど」
「あ…あぁ、
そうだよね。
本当にびっくりしたよ」
佐伯先輩が言ったこと知ってるのかと思った。
そんなわけないのに。
っていうか…私が焦ることもないのか。
その時。
私の携帯電話の着信音が鳴る。
携帯のディスプレイを見て、私は絶句した。
〈佐伯 夏〉
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