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次の日の朝。
私は学校へ行く前に、ある場所へと向かった。
しばらく息を整え、ゆっくりインターホンを押す。
想像した以上に素早くその扉は開かれた。
「…おぉ」
「お…おはよう」
佐伯先輩が寝ぐせの髪を右手で直す。
「昨日は悪かったな」
「もう平気なの?」
「あぁ、たぶん熱も引いたし」
「たぶんって…
熱計りなよ」
私の言葉に佐伯先輩は微笑んだ。
いつもは笑ったりしないのに。
こんな時に。
先輩は左手で大きく扉を開けた。
「1限目からだろ?
俺ももう用意するから入って待っとけよ」
「……」
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