あきらめ

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すこし黙ってから、私は首を横に振る。 「…急いでんの?」 「先輩…」 私の言葉に、先輩は私から目をそらした。 「…夏でいいって言っただろ」 「あたし本当は、昨日これを言うために来たの。 あたし…やっぱり先輩とは付き合えない。 ましてや結婚なんて… 考えられないよ」 先輩は私に向き直って、私をまっすぐに見つめた。 今度は私が先輩から目をそらす。 「何で? …あいつか?」 きっと雄馬のことを言ってるんだ。 「…大切なの。 一番」 なぜか胸が熱くなる。 強引に付き合うように言われて…知り合ってたった数日なのに。
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