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「由美ちゃん…?」
ハッとして由美ちゃんは現実に戻ってきた。
「え?」
振り返った顔をじっとみつめる。ほんのり頬が赤い。
「由美ちゃん…惚れたね?」
ニヤリ
「え!?」
大きな目がさらに大きくなって振り返る。
「惚れたね」
ニヤニヤ
念押しする。
「だ…誰によ?」
動揺してますよ、あなた…。
「あの子」
プールサイドの彼を思いっきり指した。
「ちょっ!ちょっと瞳子ちゃん!!指差さないでよっ!違うわよ。やめてよ」
あたふた、あたふた、由美ちゃんはかわゆい。
「見たことない子がいてたから、ちょっと見ていただけじゃないの。」
「それだけ?」
由美ちゃんの目をじっと見つめる。
「惚れたはれたって、ばかばかしい。私は恋なんてしないのよ」
「ふぅん」
意味ありげに見つめてみる。
「な…なによ?」
あくまでも否定する由美ちゃん。
でもね、世間ではそういうのが一目ぼれってゆうんだよ!!
もぅ。由美ちゃんてば気付いてないんだろうな…。
さっきからずっと、彼を目で追いかけてること。
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