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栞は水泳部だから部活が終わるやいなや、やべっち先生のところに飛んで行って、根掘り葉掘り聞き込みを開始。
彼は二学期からうちの生徒となる進藤穣(しんどうゆたか)という、高校一年生で、大阪から転校してきたそうだ。
とある貴族の血縁者だとか、皇族の一人だとか、大財閥のご子息だとか、命を狙われているからこの町に身を潜めるために引っ越してきたとか、ありとあらゆるおとぎ話みたいな噂が流れてきたが、どれも嘘臭く、だからこそ真実のように語られ、女の子の間では毎晩電話でその噂話に花を咲かせていた。
栞のあのアンテナは将来刑事になれば、人様のお役にかなり立つと思われる。
話は戻り。
私はというと、由美ちゃんの目にハートが飛び交っていたことに、驚いてしまった。
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