6691人が本棚に入れています
本棚に追加
チュンチュン……
もう3月という事もあり少し暖かい小春日和な朝を迎えた。
ありきたりな雀の鳴き声と共に少年は眠たい体をゆっくり起こし大きく伸びをした。
「ふぁ~」
これが彼の日課。
何でも朝に伸びをすると背が伸びると誰かが言ってたとかで……
彼の名前は黒川右京。
一応ごく一般の公立高校生。
容姿には恵まれているしスポーツも万能。どこかのラブコメ主人公とは違い鈍感でもない。
学力は中の下。
本人いわく勉強が嫌いでやらないので学力は低いが人間的には賢く、やれば出来る子…らしい。
更に国語、数学、科学、etc…なんて無意味。一般的な語学力と計算さえ出来ればよく、本当に大切なのは「道徳」がモットー。
母親は右京が小さい頃に他界して右京自身も物心ついておらず、母親の事をあまり覚えていない。
だからこの事をあまり気負ったりした事も無い。
父親だけの環境で育った右京だったが彼が高校入学と同時に父の単身赴任が決まった。
父親は右京が中学生の時にせっかくローンをくんで購入した一軒家を売り払う訳にもいかず、一応三年間だけという契約で右京一人を家に残し赴任先に向かったのがかれこれ一年前の話……
右京自身しっかりこなせるようになり、この生活にもすっかり馴染んでいた。
↓右京
最初のコメントを投稿しよう!