3/8
前へ
/8ページ
次へ
こりゃ上玉だ 色黒は声をもらした 少年はどきりとして 色黒の顔色を窺った まさか 少年と同じことを 考えてやしないかと 察した色黒は くすぐったそうに笑った いいか 同じとき 同じ場所 生まれたのが同じ こんな偶然はない 安心しろ 俺はもう… 言いかける途中で 色黒の頬をつねった 小さな手 そこには 色黒の体の半分ほどの 小柄な少女の妖精が 脹れ面をしていた こんなとこでなにしてるの 小さな妖精は 少年を睨んだ まるで この人は渡さない 頬を膨らませ 眼だけでそう言っているように感じた
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加