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こりゃ上玉だ
色黒は声をもらした
少年はどきりとして
色黒の顔色を窺った
まさか
少年と同じことを
考えてやしないかと
察した色黒は
くすぐったそうに笑った
いいか
同じとき
同じ場所
生まれたのが同じ
こんな偶然はない
安心しろ
俺はもう…
言いかける途中で
色黒の頬をつねった
小さな手
そこには
色黒の体の半分ほどの
小柄な少女の妖精が
脹れ面をしていた
こんなとこでなにしてるの
小さな妖精は
少年を睨んだ
まるで
この人は渡さない
頬を膨らませ
眼だけでそう言っているように感じた
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