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目を覚ますと、おさむの家の近くの派出所にいた。
横でずっと見ていてくれたらしいおまわりさんが口を開いた。
「おっ。目ェ~覚めたかい。オメェー、今朝早くに看板にぶつかって気ィーを失っとったさかいに、わしがここに運んで来たんやわい。」
「おまわりさん。ありがとうございました。」
と俺はお礼を言うと、素早くベッドを下り、急いで、あの看板の正体を突き止めるべく走り出した。
そして、俺はおさむの家が近づいて来たのでゆっくりと走るスピードを落とし、歩き出した。
目的地に着き、顔を上げたが、おさむの家のあるはずの場所には、看板1つ立っているだけで、他は何も見当たらなかった。
俺は、その看板を、近づいて注意深く見つめた。
そこには、こう書いてあった。
―――『売地』。
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