18人が本棚に入れています
本棚に追加
糸葉
「……私、見てません。貴方のこと知りませんわ」
(戸惑いながら)
青池
「それも解ってますよ」
(笑顔で)
糸葉(M)
「私は知らずにいれば良かった。聞かなければ幸せになれたのに」
糸葉
「でも、琴葉のほうが……」
青池
「琴葉ちゃんは化け物みたいで嫌ですよ」
糸葉
「……え?」
(びっくりして)
青池
「他人の死期を予期とか、そんなん当たっても化け物ですしなんか意味解んないし、人間じゃないってあれ」
糸葉
「……ないで」
青池
「糸葉さん?」
糸葉
「そんな事言わないで下さい!貴方に琴葉の何が解ってますか?琴葉を愛しいと想う私をも愚弄する言葉です!琴葉がどんなに辛い時も弱音を吐けずにこっそり泣いているのを見たことありますか!?」
(怒鳴り散らす)
糸葉
「……私はあります」
青池
「糸葉さん、あの」
(手を取ろうとして、糸葉に跳ねられる)
糸葉
「何も出来なかった。悔しくてたまらなかった。私、貴方みたいな人に好いていると言われたくはありません!失礼します」
(冷たく言い放ち、走ってゆく)
糸葉
「ごめんなさい、琴葉」
糸葉
「私は琴葉が大好き。大好きだから、琴葉を誰も傷つけないでよ」
扉
『弱き弱き人間よ、君はその言葉を真実として、ずっと持ち続けられるのかい?いつか君はすべてを裏切ってはいかないのかい?その言葉すら、君の過ちのはずだよ』
糸葉
「裏切ったから、もう裏切ってはいけないの」
●END●
最初のコメントを投稿しよう!