慈悲(愛)を感じる能力を持っていながら・・・・。

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今から約数十万年前、この地球上に16種類の原始人類と言われる人類の祖先がいました。激しい気候変動と弱肉強食の戦いの中で、ホモサピエンス、とネアンデルタール人の2種類だけが生き残ったのです。 彼らが何故、生き残ったかというと脳の大脳新皮質という部分が飛躍的に発達したからです。この部分の働きは言語能力と道徳、そして慈悲(愛)を感じる能力を持っていて、他の原始人類はこの部分が進化しなかったと考えられています。 彼ら(ネアンデルタール人、ホモサピエンス)はある時期を境に「死者を弔う」という行為を生物(生物史上)初めて行いました。彼らは死者を埋葬し花束をその周りにたむけたのです。 この事実は考古学上、彼らの発掘された遺骨の周りから各種の種や花粉が大量に見つかったことで証明されています。 全く同じような能力と体力を持った2種類の原始人類が、ある時期を境にネアンデルタール人だけが絶滅したのです。ネアンデルタール人の骨の化石を丹念に調べた学者がたった1つこの2種類の違いを発見しました。 それは喉仏の位置がネアンデルタール人の方が少し下にあり、ホモサピエンスよりも言葉を話せる種類が少なかったということです。言葉によって伝達する情報の違いが長い年月の間に彼らの明暗を分けてしまったと推測されています。 このことでネアンデルタール人だけが絶滅した、と思われますか?。 ネアンデルタール人の骨の化石が埋まった遺跡の上からはホモサピエンスの遺骨の化石が大量に発掘されているのです。これはネアンデルタール人を最後に絶滅させたのはホモサピエンスだということを遺跡が物語っているのです。 そして、現在、地球上に生きているすべての人類はホモサピエンスの子孫だということです。 だから、人類は今尚、世界のどこかで争いを絶え間なく繰り返しているのです。 一人一人は慈悲(愛)を感じる能力を持っていながら・・・・。
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