出口のない入口

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辞めようと決めてから二日目。この夜は両親は不在。結婚記念日で二人で食事をするらしい。なつきは1000円をもらいそのお金でコンビニで弁当を買った。もちろん一人前だけで吐く気はなかった。 テレビをつけ弁当の蓋をあけ口に運ぶ。10分たらずで完食した。すっかり過食の影響で早食いが癖になっていた。 ――まだ足りない。――もっと食べたい。 なつきは行ったばかりのコンビニへ向かった。そして数分後には二つの袋の中にパンパンにはいった食べ物をもって家路へと急いでいた。 「もぅ家まで待てないや。」なつきは袋から菓子パンをとりだしほおばりながら帰った。 大きなコンビニ袋二つに菓子パンをほおばる姿はまばらな通行人の目を止めた。 でもなつきにはそんな事どうでもよかった。 食べてしまった。もぅ後戻りはできない。お腹いっぱい詰めてはかなくちゃ。明日からまた頑張ればいいや。 そんな事を思いながら家に戻ると総菜を温めながらお菓子を食べ、ラーメンの湯をわかしながら温めた総菜を食べた。少しでも食べてない時間がないように食べながら次食べる物の段取りをした。
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