…第一節 「壁」…

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俺はまだ寝起きで少し余裕があり(とは言え記憶喪失にうろたえているのだが)、まだ状況を絶望的だと思っていなかった。 だが、段々と恐怖を感じ始めている…。 自分が誰かも分からず。 俺は果てしない通路の向こうに叫ぶ。 「オーーーイ!!誰かぁーーー!!」 ………。 帰ってくるのは、沈黙ばかり。 「誰かぁ!!居るんだろぉ!!俺をこんな所に連れてきた奴!!出てこーーーいぃ!!!」 反応は、無い。 「クソッ!」
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