…第一節 「壁」…

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…。 ……。 ………。 …1時間は経っただろうか? ポケットに腕時計があったが、完全に止まっていた。 ヒビが入っていて壊れていたのだ。 だから正確には分からないが、感覚としては1時間くらいだ。 「かなり歩いたがなぁ…」 景色は変わらない。冷酷さを感じさせる壁。 天井も同じ。床も。 ただ、薄暗かった通路が微かに明るくなった気がするのだ。 「…朝になってんのか?」 普通に考えればそうなのだが、前に言ったようにここには窓が無い。 そのため、外から日が差すような事は無い…はず。
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