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僕らが出逢ったのは
今から七年前の
小学四年生のとき。
その日は
学校の行事の一つ、修学旅行だった。
その日は見事に快晴だった。
「蛍ー!どこ行くんだよ!迷子になるぞぉ!」
「大丈夫だよー、すぐ戻ってくるからー」
そう言って僕は
友人の引き止める言葉に逆らいある森林公園の中に入って行った。
今は班行動の時間。
でもこの時の僕はなぜか
皆とは行動せずに一人でぶらぶらしていたかった。
あまり人とはつるまなかった僕。小学四年にしては無愛想である。
もめごとは、大の苦手であった。
「ここまでくれば誰にも会わないだろう」
そんな言葉を呟きながら
森林の中を歩くと
「やめてよー!」
どこからか女の子の声。
(やだなぁ。会わないようにこっちから行こ)
そう言いながら声のしない方へ行ったつもりだったが、
「なんだてめぇ!」
「・・!?」
蛍の目に飛び込んできたのは男の子と半べその女の子だった。
(やべぇぇぇー!)
その光景はあきらかにいじめの真っ最中だった。
蛍はなんとか逃げようとした。
「いやね、ちょっと・・・通り掛かっただけでね・・」
「こいつの援軍か・・・」
「はいっ?!」
「そうなんだろう!はっはっはぁー!!そうはいくかぁ!返り討ちにしてやる!」
(お前はどこの悪役だぁ!!)
「かかってこぉい!!」
そう言いながらいじめていた男の子は
僕に襲いかかってきた。
(こいっていいながらあっちから来たぁ!)
殴られそうになったが、
(ん?)
簡単に避けられた。
「なんだ・・・」
シュッ ドン バタ
「弱いじゃん」
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