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(気まずい!どうしよう!)
もう蛍の脳ミソの中はどうしようで一杯だった。
今は水場にいる。
蛍はハンカチを濡らし、膝を拭いてあげている。
このときも『拭いてあげる』
それしか蛍は言っていなかった。
女の子の口が開く。
「あ・あの」
「ん?」
ちょっと困っているのような蛍の返事。
「自分でやります。」
「大丈夫、座ってていいよ?」
そう言って蛍は女の子を座らした。
女の子はちょこんとそこに座った。
ただそれだけなのに蛍は、
(可愛い。)
そう思った。
そして
(へ?今、僕なんっ?え?え?)
かなり動揺した。
そんな蛍を見ながら女の子は、
かあぁぁぁぁぁ
また真っ赤になっていた。
「あ・あのさぁ。」
「はい。?」
「な・名前何て言うの?」
必死に話題を作った蛍。
「笹原です、 笹原 美希です」
「・・・そうなんだ。」
また蛍の脳ミソの中に
(可愛い。)
その言葉が浮かんだ。
「あなたは?」
「ぼ・僕ぅ?!」
ちょっと動揺してしまった。
「僕は神谷 蛍、えと・・・」
蛍はスッと手を出して、
「よろしく。」
照れ臭そうに言った。
「よろしくです。」
女の子は蛍の手を満面の笑みで握った。
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