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しばらく上から下までマボロシ少女を真剣に見つめる。
「…ってオレは何じっと見てんだよっ!?」
何か恥ずかしくなり、自分で自分にツッコミを入れる。
「あ~。こんな幻覚(?)見るなんて相当疲れてんな…。今日はひとまず家で休むか。」
幻覚ということで無理矢理納得させ、とりあえず部屋に戻ろうとし、ドアのロックを解除するためにパスワードを入れる。
ウィーン。ガチャ。
オレは20階へ向かうエレベーターへと乗り込むため、自動ドアをくぐって中へ入ろうとした。が…
「んみゅ…?うわぁぁ~!待って~!行かないでぇ!」
「うぉわっ!?」
「お願いです…私たちを…私たちを拾って下さいッ!」
マボロシのはずの(まぁ、オレの勝手な設定だが)少女がオレの足を掴みながら叫んだ。
周囲の住人にも余裕で聞こえるほどの大音量で。
「はぁぁぁぁ!?」
「だからッ!わたしたちをッ!拾って下さいッ!!」
「ちょいっ!声でかすぎるって!てヵ拾うって意味わかんねぇよ!」
「何でもします!何でもしますから!だからお願いです!私たちを拾って下さい!」
ナンデモ?ってあんなコトやこんなコトも…?
ぐっへっへ…。
ならまずは…。
ってそうじゃなくて!
妄想に支配されかけた頭を自制する。
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