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今は4月。
一週間前に高校に入学したばかりだ。中学の友達と離れてしまったのは悲しいけど、友達を作るのは苦手というほどでもないから、新しい出会いが楽しみでもあった。
私の学力は中学の時、学年168人中60番代はいつもキープといったところだ。
いわゆる…並。
入学式の時に一人の女の子が私に声を掛けてきた。
「あっ!!冬美ちゃん……だよね!?」
私は見覚えがないのか忘れていたからか、一瞬反応に困ってしまい少し寂しげな表情をさせてしまった。
「ほらっ!覚えないかな…。陸上の」
思い出した。
部活動は陸上に所属していたから大会の時に出会っていたのだ。
長距離の800mでスタートの時に不安を取り除くためにお互いの自己ベストを言い合って同じタイムだったから、すごく安心したし同時にライバル心を覚えたりした。
確か名前は…春。
神田 春!!
「春ちゃん?!!」
「そう!覚えててくれたんだ!良かったー。同じ高校になるとは思わなかったよ。改めまして、春です。宜しくね。」
「なんか知ってる人いてかなり安心したよ。こちらこそ改めまして、冬美です。宜しくね。」
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