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春は身長は私と同じくらいでどっちかというと小柄だ。
でも容姿は一言でいうと、妖精のように可愛くて守りたくなるようなオーラがある。
同姓である私がいうほどだから、相当だ。もちろん中学から続いてる彼氏がいて、とても幸せそうだ。
それに比べて私ときたら、春と真逆と言ってもいいくらいで、容姿は可愛くもなく周りから言えば普通。
服にはそれなりに興味はあるけど、女の子らしい服は着ない。
性格も女らしいと言われるにはほど遠く、変に真面目で、一方通行だ。
自分の意思を曲げるのはプライドが許さないため喧嘩をすれば自分が悪いと気付いた時には謝ることができなくなってしまう。
頑固なのだ。
学校の放課後は決まって近くの川沿いに寄って階段を降りると橋の下に丁度いい大きさの石があるからそこに座って雑談が始まる。
くだらないことでも盛り上がっていつも楽しいって感じさせてくれる。
春は言った。
「私、今の彼氏と絶対結婚するんだ!」
「羨ましいかぎりだよ。結婚式呼んでよねー」
「当たり前。冬美には特等席用意しとくから。」
「ほんとに!?じゃあ料理も特別にフルコース宜しく。」
「えっ?!もちろん冬美には貧相な料理を…★」
「おだまり。」
2人は笑いながら、日がくれるまで話しふざけあった。
今日は晴れ、夜になるととても綺麗な星が見えた。
見上げているだけで冬美はいつも癒される。
理由はないけどキラキラ輝く星が大好きだ。
特に流れ星が。
黙って見上げ続ける私に春は言った。
「流れ星見えないかな~??見えたら願い事しないとね!!」
春はあの笑顔で嬉しそうに言った。
「願い事したら叶うと思う??」
私は見上げながら聞いた。
「うん。叶うと思うよ。だって願い事するだけでも思いは形となることだってあるんだからさ。それに願い事って素敵じゃない??」
「迷信でも??」
「迷信でも…信じることが大切!へへ」
少し言葉を濁らせてしまったけど、春はすぐに笑顔になる。あたしはそんな真っ直ぐで素直な春が羨ましと思った。
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