COUNT.03 旧友

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「…一時間…終了です。敗者は奥の部屋に進んで下さい。」 高松先生が言う。   ほとんどのテーブルがまだ決まってなかった。 かつての親友たちに押され仕方なく奥に進むのがほとんどだった。   「圭介…」 圭介は武の言葉を無視した。 「どういう事だよ!?」 浩平が焦った表情で圭介に近寄る。 「おぉ、俺を信じたか。」 圭介は今から死ぬと分かったヤツとは思えないほど平常だった。 「信じた…けど…」 浩平は戸惑った。 圭介は信じてる…生き残りたい… 圭介は、圭介を信じるなら負けろ。と言った… 助かるハズ…だが、現状では助からない。   「お幸せに..」 丁度未歩がカップルに最後の別れを告げた。   圭介たちを含めた十三人の敗者が奥に進む。 尋常じゃない程重い足取りで…   銃を持った兵士たちも一緒に行った。   浩平の頭に言葉が少しだけ浮かんだ。   あの銃で撃たれて死ぬのか。   全員が奥の部屋に進むまでに10分かかった。 十三人のうち九人が暴れ出したからだ。   暴れなかったのは、圭介、浩平、未歩… そして、喜村 義人(きむら よしと)だけだった。   暴れる九人を銃を持った兵士が無理矢理奥の部屋に連れこむ。   九人は奥の部屋でも暴れ、叫んだ。 奥の部屋は狭く、33人の人間が無理矢理詰め込まれた。     他の四人はやけに平然としていた。
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