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Q…
圭介は見事にカードを揃えた。
そして、最後に引いた、スペードのQのカードを男に見せながら
「俺の勝ちだな。」
と呟いた。
男は驚愕した顔で
「駄目だぁあ!!こんなの無効だ!!!貴様、仕組んでたんだろう!!?」
と叫んだ。
が、圭介は微笑みながら
「何言ってんだ?これはそういうゲームだろ?」
と言い放つ。
その言葉に驚きの色を隠せない男。
それに圭介は呆れたような顔で
「まだ分からないのか?このゲームは最初から仕組ませるゲームなんだよ。そうだろ?」
そう言ってモニターに映った審判の顔を見た。
審判は黙って頷く。
「審判までグルになってんじゃあねぇよぉおお!」
男はわけも分からずに叫ぶ。
「お前、馬鹿か?仕組んではいけないゲームなら、何の意味があってカードの確認をさせた?何の意味があって自分で神経衰弱の準備をさせたんだ?そんなの…公平じゃあないだろ?仕組んじゃいけないゲームならちゃんと準備するヤツくらい用意しとくよな?」
圭介がそう言うと、男は何も言い返せなくなった。
その代わりに男はただ叫んだ。
「あぁあああぁああ!!」
それを見た圭介は
「クク…お前が最初に引いた何枚かのカードを揃わないように引いていたのは分かっていたよ。ただ、俺はカードを確認する段階で、ジョーカーをカードの一番上に置いていたんだよ。あとはカードをバラバラにする時にジョーカーだけをはじっこに置いてバラバラにしなかっただけだ。」
圭介がそう言うと
「勝ったチームの方々は後ろの扉の鍵を開けたので、部屋から退場して下さい。」
と、審判が言った。
「わあぁあああぁ!!!」
「待ってぇえ!」
「いやぁああ~!」
泣き喚く相手チームを残し、圭介たちは部屋から出た。
罪悪感はあった。
だが、これから殺される相手チームを助けようとは、誰一人思わなかった。
ただ、生き残る為にはこれから続く死のゲームに勝ち続けなければならないのだ。
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