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「こんな孤島で何をしようと?」
薔薇は一言、この島に潜伏する敵を抹殺しろと言われ、ここに来たのである。
ソレが傭兵たる彼の宿命だ。
残り少ない髪の毛。
ソレが波平たる奴の宿命だ。
下らんボケはシカトし、彼は島の捜索を始めた。
跡を残し先手を打たれる事を警戒しながら進んで行く。
すると前方から声が聞こえた。
すぐさま、ふせ、声に耳を澄ます。
銃に弾が装填されている事は既に確認した。
「ちょ、やめて下さい」
やや、子供っぽい声が聞こえた。
声からの性別の判定が難しい。
「そんな服、いやぁ!!」
叫び声が響いた。
続いて、シクシクと泣く様な声が聞こえる。
「キャアアァァ!! 可愛いい!!」
今度は別種の叫び声が聞こえた。
どうやら女性の様だ。
「やっぱり瀬田くんにはセーラーだな」
別な男の声がする。
状況が全く飲み込めない。
薔薇はほふく前進で彼らの元へ向かった。
音を立てない様に近づき、草の間からその惨劇を垣間見た。
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