一点の重み

2/2
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
5月、ついに総体が始まった。相手は一年前の国体予選で負けたりょーけん高校だった。キャプテンの大くんやリベロのノリの二人には特別な試合だった。中学時代共に戦った仲間、大和が相手なのだ。しかし負ければ引退、お互いに譲れない試合だった。 1セット目、そーき高校は出だしが悪かった。大くんのスパイクが何本も決まり流れを変え先取した。 2セット目、序盤は良かったものの相手のコンビにブロックを振られ自分達のバレーができずそのままとられてしまった。 そして運命のラストセット…事件はここで起きた。2年でセッターの神崎川がボールを拾いに行って支柱に激突し骨折をしてしまった。11-13で負けていた時だった。急遽元セッターの啓ちゃんが入ったがゲームは思うようにいかなかった。その時啓ちゃんギャラリーから見ているある人物を見つけた。むかいだった。啓ちゃんはここで決心した。「先生、ここはあいつがやらなければいけないと思います。」先生もむかいの存在に気付く。見栄晴監督に迷いはなかった。すぐメンバーチェンジを副審に要求し、「むかい!降りてこいっ!」むかいはすぐ降りてきた。ユニフォームは北たかしが渡した。先生は言った、むかい、お前のその一本を俺に見せてくれ…と。そーき高校の反撃が始まった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!