『探偵VS大怪盗』プロローグ

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ジュン達の前から姿を消して早三ヶ月、早苗はパソコンの画面に熱心に目を通し、9年前に起きたある事件を調べていた。 その事件は表向きは解決済みとされていたが実際は解決されていない案件だった。容疑者として逮捕された男が真犯人かわからぬままに死んでしまったためである。 そのため九割九分、犯人であろうその容疑者が全ての罪を被り“犯人”として処理されたのだ。 しかし当時の事件関係者、特に早苗にはその容疑者が犯人でない事がわかっていた。 そしてこの事件には早苗以外にも深い関わりを持つ人物がいる。 神野 光…今は坂崎 一郎を名乗る男だが何を隠そうこの事件、解決に導いたのは彼なのだ。 早苗がこの事件を“完全に”解決する為、ジュン達の前から姿を消したのも神野がこの事件に関わっていることが大きかった。 どんな形であれ神野が解決できなかった事件。 彼女はこの事件を“完全に”解決することに何か使命感のようなものを感じたらしい。 そして今、その使命を果たすべく彼女は本格的に情報を集めだした。
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