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「これもハズレ。やっぱり当事者のあたしが知らなくて警察が知ってるような事なんかないかなー。
もしかしたら調べるだけ無駄なのかも」
早苗は一瞬、挫折しかけたがその邪念をふり払うように頭を左右に強く振ると画面に向き直った。
「こうして見るともう9年経つんだって実感できるなー。
……思い出に浸ってる場合じゃないや」
事件概要が記録された画面を見ながら早苗は9年前に体験した事件について少しばかり思いを巡らした。
事件は9年前の暑い夏のある日…
有名な美術館に有名な怪盗から予告状が届いたところから始まる。
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