280人が本棚に入れています
本棚に追加
私は、窓側の後ろから
2番目の席。
後ろには、偶然にも
同じ中学出身の
加納千夏が居た。
彼女とは同じクラスには
ならなかったが、
移動教室で同じ先生に
同じ授業を受けた事があった。
『加納さんもココ
入ったんやぁ~』
葵の顔を見て加納は、
「えっと鳥井さん
やったよね~良かったぁ
知ってる人が同じクラスで!」
その言葉に葵は答えた。
『葵でえぇよ!これから
1年間よろしくねぇ』
「私も加納じゃなくて、
千夏って呼んでな!
よろしくぅ…葵」
『こちらこそ 千夏』
2人が話しをしていると
葵の隣の席の男子が
やって来た。
席順は、男女交互に
並んでいる。
私は私の横に座った
男子から、目が
離せなくなった。
「葵、葵、何?
何ボッーとしてるん?」
『知ってる子に似てんねん』
葵は机の上に貼られてる
名前に目をやった。
書いてあった名前は、
阪 本 紘 司
『紘司君…』
声をかけた葵に紘司は
「誰だお前?気安く
話しかけんじゃねぇよ」
と言った。
葵は隣に居る紘司を見て
【ウソぉ紘司君がどうして
ここに居るの??
あの頃と同じ…隣の席
私の事、
覚えてくれてなかった
のかなぁ?でも、
同じクラスになれる
なんて嬉しい。
紘司君…背が高くなってる】
そんな風にドキドキ
しながら声を掛けた葵に、
紘司は冷たかった。
葵は、
忘れてても当然よね…
中学の時は全く
会えなかったんだし、
知らない子に名前
呼ばれて、
何だコイツ
位に思われても
仕方ないかと思っていた。
『ごめんなさい。
私、鳥井 葵です。
幼稚園と小学校で
同じだったんだけど、
覚えてないですか。』
と、紘司に再び話しかける。
「だから何だ?
しつこいぞ お前」
とまた、冷たい返事が
返って来る。
そこで初めて
嫌われている事に
気付いた葵。
.
最初のコメントを投稿しよう!