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葵と千夏が
滑り込みで
教室に入り、
席についた。
2人は息が
あがっている。
ふと、隣を見た葵・・・・・
まだ、
紘司は来ていない。
一限が終わっても、
来なかった紘司。
【どうしたんかなぁ~
いきなり
休みなんかなぁ】
2限目が
終わる前になって
教室のドアが開いた。
黙ったまま
席に座る紘司。
担任の神田が
遅刻の理由を
たずねても、
大きな欠伸をして一言
「すいませーん、
寝坊っす」
と答えた。
葵には
信じられない
態度だった。
3限目は学校案内で、
葵と千夏は帰りに
茶店に行くかどうかを
相談していた。
音楽室に向かう途中、
3年生の教室前を
通りかかった時、
「紘司、
仲良くヨチヨチ散歩かょ
似合ってんじゃんかぁ」
と3年に名指しで
からかわれた紘司。
「うるせぇ!!!
お前もカゴの中の
鳥じゃねぇかっ
飛び出す度胸もなく
ピイピイ
鳴いてんじゃねぇ 」
紘司のその言葉に
キレた3年生が
窓から紘司に飛びかかる。
それに向かってく紘司
3年の教室からも、
飛び出して来て
「イケーやっちまえ」
辺りは、騒然とした。
慌てて
先生達が止めに入る。
【紘司君・・・
止めてぇ誰か止めて】
『キャー止めてぇー』
葵は叫んでいた。
先生達に抑えられ
連れて行かれた紘司・・・・。
結局、
学校案内は
途中で中止となり、
私達は
その後紘司が
どうなったかも
解らないまま、
学校を出た。
葵と千夏は、
咲に何が
あったかを説明した。
「そんでかぁ
先生おらんなったし、
騒がしかったし、
誰かはケンカとか
言ってたんわぁ
ほんで、
一つ
気になったんやけど
紘司って葵の何なん?
名前で呼ぶ仲・・・」
【咲・・・鋭すぎ💧】
「それは葵の初恋の人」
.
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