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[ 入学式 ]
今年は暖かくなるのが
早かったせいか、
入学式の日には桜の花も
かなり 散っていた。
でも高校へ向かう
道沿いの桜は満開だった。
私の父親は、
一代で会社を築いた
人である。
だから、幼稚園の
入園式 卒園式も、
小中学校の入学式
卒業式も来てくれた
事がなかった。
でも、この高校の
入学式は違う、今
私の横には、父と母が居る。
葵
お父さん、一緒に写真
撮ろうよ!
葵は近くにいた
父兄らしき人に
カメラを渡し 写真を
撮ってくれるよう頼んだ。
葵
お母さんも、早く!
葵は両親の手をひき、
2人の中央におさまる。
父兄
撮りますよぉ~
ハイチーズ、
あっもう1枚撮って
おきましょう。
笑って下さ~い
行きま~す ハイチーズ!
父兄らしき人は、
丁寧に2枚写してくれた。
葵
お母さん、綺麗に
写ってるとえぇなぁ
その言葉に両親は
笑顔で答えた。
手続きを済ませた私は、
両親と離れ、
グラウンドに向かった。
その途中 中学の時の
同級生 咲(さき)に
声をかけられた。
「葵…
ここにおったんやぁ~
めちゃ探したわぁ」
『咲…
早かったんやぁ~
何組になったん?』
咲と葵はそれぞれ
クラス表を見せあった。
「残念 隣の組かぁ
離れてもうたなぁ~」
葵は1組、咲は2組。
≪新入生の皆様!
手前から、1組で順に
奥へと7組となっています。
各クラスの先頭に
担任の先生が立って
居ますので、来た順で
結構ですので、
並んで下さい。≫
集合した私達は、
両親が待つ講堂
式場へと向かった。
大きなドアが開かれると
同時に、拍手が一斉に
鳴り響いた。
私達は、フラッシュの
光を浴びながら、
中央を歩き順に、
席に着いた。
式もとどこうりなく済み
私達は、教室に入った。
黒板と机に名前が
張り出されていた。
自分の席を探して座った。
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