へんなガッコ

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それは、大和の一地方、丹後の水江(みずのえ)市の水江中学校の浦島元次郎教諭が呼び掛け始まりました。 その頃、水江では高度経済成長の影とされる公害問題が叫ばれていました。 工場の有害廃棄物が水江の白鷺川に不法に流れ、その川で遊ぶ児童、河童、またそこで釣りをし、釣れた魚を食べてしまった人々が公害病にかかり重大な被害を被るというものです。 事態は深刻でしたが、さらに深刻なのは河童の問題です。 ご存知の通り人は川がないからといって極端な問題に発展することはありませんが、河童は違います。 死に直結する問題ですので、直ちに対策が求められました。 その最前線に立ったのが浦島元次郎教諭だったのです。 浦島教諭はこれまでの人生のすべてを水江で過ごしていたのです。ですから、子供の頃より河童とは一緒に褌一丁で白鷺川を泳いだ仲でありました。
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