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「河童の苦しみは俺の苦しみ」
と考え、市のハゲ鼠、磯竹高盛(いそたけたかもり)市長や県のハゲ鼠、葦渡正二(あしわたりしょうじ)県令や国のハゲ鼠、針村秋呉(はりむらしゅうご)環境大臣とガチガチ談判して、一つの案を通したのです。
それは、
「河童のための自動販売機設置」
という案である。
度重なるたらい回しに伸びきった髪を振り乱してさながら幽鬼のように国会を駆け回ったためか、議員たちが怖れをなして満場一致で法律に条文化されたのである。
その要旨はこうだ。
「河童がひからびないように、各河川沿いに自動販売機を設置すること」
「自動販売機内には冷たくおいしいミネラルウォーター(名水)を完備し絶やさないこと」
「冬には気を使って人肌のミネラルウォーターも入れてあげること」
「これらミネラルウォーターは河童に限り無料とすること」
等々である。
因みに現在では自動販売機の生体認証プログラムにより、その都度無料排出されることとなっている。
さらに因みに、不正河童(河童なりすまし)をしようものなら立ちどころに見抜かれ、妖怪愛護法によりきついお灸を据えられることとなっています。
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