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あなたは
大きな森の
小さな 木でした
あたしは
傷付いた羽を持つ
小さな 鳥でした
あたしは
羽を休める 大木を探しながら
あなたの存在を知りつつ
同じ森の大きな木を
止まり木にしました
月日はながれ
あなたは いつの間にか
小さな花を たくさん咲かせ
愛にあふれた
大木になりました
こんなに早く
こんなに大きくなった大木は
あちこちの枝が折れ
痛々しいほどの
闘いの傷跡がありました
あたしの傷は 癒されないまま
新しい 止まり木を 探し求めていました
そして
やっと あなたに辿り着き
あなたがあたしの最後の止まり木になると思っていました
傷付いた枝を
あたしの羽で
覆ってあげたい
あたしの傷が癒えなくとも
あなたの支えになってあげたい
熱い想いを
あなたに伝えました
あなたを 止まり木にしている鳥が
他にも たくさんいる事を知り
それでも 構わないとさえ
思っていました
あの 一番高い場所を夢みて
あなたと共に
生きていきたいと……
やっと 見つけた
あたしの居場所
そこは
あまりにも みじめで
あまりにも 寂しすぎました
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